乾燥肌を改善するには、正しいスキンケアと食べ物や睡眠など体の中から対策するインナーケアの両方が必要です。
高額な化粧品や美容アイテムを揃えても、睡眠不足や運動不足、偏った食事や肌によくない食べ物を口にすることが習慣化していると、ターンオーバー(肌の新陳代謝)が乱れ、美肌から遠のいてしまいます。
特に食べ物は重要なファクターのひとつ。体はもちろん肌も、毎日口にする食べ物の栄養素からつくられています。腸内環境を整えることで肌のターンオーバーが正常化し、肌の水分量が上がるという側面も。
まさに「肌は内臓の鏡」なのです。
タンパク質
髪や肌、爪、筋肉、内臓など、体を作るもととなる栄養素。肌のハリや弾力を保つコラーゲンを生み出す役割も担っています。
不足すると体力や免疫力が低下するだけでなく、肌、爪、髪の状態が悪くなってしまいます。
脂質
体を動かすエネルギー源で、細胞膜の主成分となります。
不足すると肌や髪が乾燥するため、美容には欠かせない成分のひとつ。
食品によって含まれる脂質の種類が異なり、肉や乳製品に多く含まれる「飽和脂肪酸」は、動脈硬化や高血圧、肌荒れの原因になりますが、オリーブオイルやナッツなどに含まれる「不飽和脂肪酸」、くるみや亜麻仁油、サバやサンマなどに含まれる「必須脂肪酸」には、動脈硬化、高血圧、血栓、アレルギー、肌荒れを予防する働きがあります。
炭水化物
主成分は食物繊維と糖質。
糖質は体や脳細胞を働かせるために必要な栄養素で、気持ちを安定させるホルモンであるセロトニンの原料になるほか、新陳代謝を促進する作用も。
ただし過剰摂取は動脈硬化や糖尿病、肌のシワ、シミ、黄ぐすみ、たるみなどの原因になります。
ビタミン
養素の吸収や代謝にかかわる栄養素。
全13種のビタミンのなかでも、「ビタミンACE(エース)」と呼ばれるA、C、Eの3つには、体の老化を進める「活性酸素」の働きを抑える抗酸化作用があり、3つを同時に摂ることで効果が高まります。
単体では、Aは肌を正常に保ち、肌の潤いを保つ、Cは肌のハリや潤いを保ち、シミやシワを防ぐ、Eは血流を促し、細胞の老化を防ぐなどの効果があります。
ミネラル
カルシウム、鉄、亜鉛、ナトリウムなど、体の維持に必要な栄養素。
カルシウムは骨や歯、健康な肌を作り、鉄は血行をよくする、亜鉛は肌のターンオーバーを促進するなど、それぞれの栄養素が重要な役割を担っています。
いずれも体内では作られないので、食品やサプリ、ドリンクなどからの摂取が必要です。
食物繊維
便通をよくし、腸内環境を整えるほか、糖質の吸収を抑えたり、乳酸菌を活性化させたりする効果もあります。
果物や海藻類に含まれる水溶性食物繊維と、根菜や豆類に含まれるものは不溶性食物繊維の2種類があり、両方をバランスよく摂取することで効果が促進されます。
乾燥肌が気になる人は、どのような食べ物をとり入れたらよいでしょうか?
乾燥肌への基本対策としては、いろいろな食べ物をバランスよく摂ることです。それぞれの栄養素が体内で働くことで、乾燥肌は改善されます。
そのうえで、乾燥肌が気になる方へのおすすめの食べ物と食べ方の注意点を見ていきましょう。
発酵食品と食物繊維を一緒に食べる・・・腸を整える
乾燥肌の改善には、腸内環境を整えることが大切です。
腸内環境を整えるには、乳酸菌などの善玉菌を多く含む発酵食品(納豆や味噌、キムチ、ヨーグルト、チーズなど)がおすすめ。
できるだけいろいろな発酵食品を摂り、多様な菌を体内で育てましょう。
その際、善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を一緒に食べると、善玉菌を効果的に増やせます。
食物繊維を多く含む食材には、海藻、ごぼう、サツマイモ、こんにゃく、きのこなどがあります。
腸内環境を整えることでターンオーバーが正常化し、乾燥肌の改善も見込めます。
オリゴ糖は大豆などの豆類、ごぼう、玉ねぎ、バナナなどに含まれます。
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